page 3/55 2002.8/28 コラム

並ぶことがファッションに
昨年は神戸で花火見学の会場をつなぐ歩道橋の上で人の流れを無視した誘導の不手際により大きな事故があった。小さなこどもたちがおおぜい亡くなるという悲しい花火大会になった。人がいちどに集中する時は正直恐い。自由が効かない分、だれか警備や警察といった他人に自分の安全を依存してしまう訳で、そこで自分が思っていることと違うことが起きても対応できないことになる。これがいちばんイヤだと思うことだ、集団の恐さを知っている。だからできるだけ人ごみには行かない人の多い所はさけることになる。
しかし最近感じることだが、並んだり待つことがみんな平気になったような気がする。昔話しをしてバカにされるかも知れないが、服屋にしろ食物屋にしろ関西の人間は昔は並んだりはしなかったと思う。関西と云われて迷惑と思う方もあるかも知れないが、わたしは神戸生まれだが神戸は間違いなくそうだった。DCブランドなどの店で様変わりする以前の三ノ宮や元町の店は、いずれも行きつけの店や常連客という感じが強かったような気がする。だから待たされたり並ぶという感覚は無い。確かに店がいっぱいということはある。その時はよそに行く、わたしたちの親も並ぶぐらいなら、他の店に行こうということになったものだった。どうしてもその店でなくてはいけないということはなかった。どちらかと云えば、並ぶことは恥ずかしことだった。いつ頃からだろうか並ぶことがファッションのようになったのは。
若いころ東京へ行っていた当時、友人がおのぼりさんのわたしを話題の店を選んであちらこちらへと連れていってくれる。あるとき横浜の中華街に飛切りうまいものを食わす店があると聞き行くことになった。たいていはそんな店は長い列があって1時間ひどい時は2時間と並ばされる。本心では別の店でもいいのにと思っていたがつき合った。観察して気がついた、順番を待っている者たちは楽しそうであったり、うれしそうにしているのだ、その店へはガイドや知合いから聞いてやって来ているようだ、まるで並ぶこと自体を楽しんでいるのだ明日会社でどのように云って自慢するかも話し合っていた、または並んでいること、より長い列に属していること自体が幸福なことのようだった。わたしの方と云えばやっとの思いで入った店は、待ちくたびれてしまい良いのか悪いのかわからないということが何度かあった。それで思った。並ぶという文化は関東、特に東京を中心地としている気がする。経済成長著しい東京では流行を作り出し、効率よく広く流すことが必要で、そのことからも「一ケ所に大量に」は当然だった。言替えればそれは集中し並ぶことだ、だから並ぶことをファッションにでもしなきゃやってられないのかも知れない。
花火の総数のなぞ?
人ごみには行かない人の多い所はさけたい、そうなれば花火見学は基本的にはむりだ。しかし世の中うまく出来たもので奇特な人がいる、自宅から花火がよく見えるから来なさいと毎年招待してくれる。今年もそちらのお家でのんびりと花火見学をさせてもらうことができた「第27回枚方まつりくらわんか花火大会」がそれだ。今年も8月25日(日)の夜7:00〜8:30までの1時間半で花火の総数、約5千発の花火が夏の夜空に舞った。昨年は終了間際に、ひどい雨にたたられたが人出の方は約50万人だったそうである。今年はきっとそれ以上だろう『水辺に打ち上がるスターマインのド迫力に感動!なかでも次々に連射されるラスト10分間は豪華絢爛で感動もひとしお』だと広告の案内文にも書かれてあった。
この「くらわんか花火大会」の花火は大阪で3番目の規模だそうである。いちばんは当然「PL花火」だろう、そのいちばんのPLの花火、いちどは見てみたいと人並みに思いはするものの人の多い所はさけたいなどとヤワなことを云っているようでは実現はまず不可能だろう。友人からは『あれを見なきゃ死ねないよ。そりゃあすごいよ!PL花火には「PL花火の見方」ちゅうモンがあって、あれは気合を入れて、充分計画を練って用意万端で行かないとエライ目に会います。今度会ったら詳しく秘策を伝授しますよ。』とクギを刺されている。くらわんか花火大会では約5千発であるがPLの花火の総数はなんと12万発だそうである。そこで今回花火にさそってくださった奥様が計算をしてみたそうである。まずは単純に計算して1秒に1個打つとしても1分で60個、1時間で3600個となる。だいたいどこも同じく1時間半ぐらいの打上げであるから5400個あれば計算上はいいわけである。
そしてPL花火が12万個の総数だということで、同じように1時間半で12万個の花火を打つとしたら1秒に22個以上を爆発させる訳であり、数箇所で同時に打ち上げるようなことをしているのはわかるけど、それでも12万という数が本当に上がっているのか、かなり気になりだした。そこで奥様一番すざましいときの最高朝の10分間の爆発音をなんと数えたそうである。驚いた数えたことも偉いが数えようと思いつくところが凄い、とにかく800くらいあったそうである。『ゆっくりあがっている時は2秒に1本くらいだし。謎が多いなあ。ひょっとして数え方が違うのかなぁ。』と悩んでいるそうである。花火に詳しい関係者の方に合って詳しくたずねてみたいPL花火の謎である。こうしてなぞがなぞを呼び見て確かめてみたいと思わせるのも花火の魅力だろうか?